ジャックラッセルをショーに出していると 時々、言われることですが、
「ジャックラッセルテリアって ショーに出してはいけないのでしょう?」
「ジャックラッセルの場合、ショーに出すようではブリーダーとして失格なのでは…?」。
これについては、やはり歴史的背景や創始者の遺言を考えて言われていることでしょうし、
正しくないとは言い切れないでしょうね。

そういう方々には 我々の「ジャックラッセルテリア」は「ジャックラッセルテリア」という
名前のついた、良く似た別の犬種と考え、あなた達の信じる形で狩りを教え、
伝統を守って頂くのがよろしいかと思います。

私はJKCの犬達はテリアグループは勿論、ダックスフント、ハンティングドッグなど 
その歴史的背景を考慮に入れ、その犬本来の最も効率の良い仕事が出来るであろう形を
保ちつつ、家庭で飼える「家庭犬」を作出することに主眼を置いていると考えていますし、
JKCに登録された時点で 本来の目的とは別の目的を持った犬だと考えています。

私が初めてジャックラッセルテリアに出会ったのは、まだJKCに認可されていない頃、
オーストラリアから連れて帰った方から見せていただいたのが最初です。
そのイタズラっぽい目をした遊び好きな、とてもチャーミングな犬に一目ぼれして 
色々調べましたが、歴史的背景を考えて「JKCで登録することは難しいかも…」
と思っていました。
…が、意外にも それから数年してJKCに認可され、すぐに手に入れました。
それがメルモです。
彼女はとても大人しく、従順で、人懐っこい「家庭犬」でした。
その後、べゴちゃん、レオ君、またその子供達で賑やかになりました。

当初、確かにショーに出すことに躊躇いもありましたが、「この魅力あふれる犬種を
ショーで もっと多くの人に知ってもらいたい!」と言う考えの下、ショーに出すことにしました。
昔、イギリスで多く行われていたベンチショー(テーブルに載せて行う品評会)とは異なり、
歩様審査、CD1(家庭犬訓練1級)の取得が必要な事など、ジャックラッセルテリア本来の活発さ、
利口さなどを ちゃんとアピールできる点でも 創始者の時代とは違うわけですし、
また、オーストラリアで改良された時点で もともとのジャックラッセルテリアとは
変わってしまっているのですから。
ですので、私は この犬種は「ジャックラッセルテリアという名前のついた、創始者が作出した
のとは別の犬」と思っています。


また、たまたま ある番組を見たのもきっかけの一つです。
その番組は、某動物愛護の先進国において 伝統的に行われている「狐狩り」について
ドキュメントしたものでした。
「狐狩り」は動物虐待か、スポーツか、という問題を 狐の愛くるしい生態や農家の被害など
交えながら中立の立場で上手くリポートした番組でした。
その中で、成績優秀なハンターの所に取材に行くシーンがありました。

彼は、フォックステリアを沢山飼っており、若い犬に猟についてくることや、獲物が取れたときは
調理した内臓を食べさせ、猟で獲物を獲ると良い事があることを教えていきました。
そして、沢山のフォックステリアが本当に楽しそうに猟に出かけていくシーンなどが映し出され
ました。
彼の取材が終盤に差し掛かった頃、彼は年をとって(と言っても8〜10歳くらいに見えましたが)
猟をリタイヤする犬をカメラの前に連れてきました。
彼はピストルを抜き「パァァァァァン」躊躇わずに射殺しました。
さすがに射殺される瞬間は音だけしか放映されませんでしたが、私は 一瞬 我が目を疑いました。

彼は言いました。
「猟を教えたテリアは 家庭犬として飼うには凶暴すぎて 余生を家庭犬として飼う事は危険すぎる。
怪我や年齢的に猟に行けなくなった犬は それでも猟に行きたがるが 猟には行けなくて可哀想だ。
だから、こうしてあげるのがベストなのだ」と。

(すべてのハンターが彼のような考えではないと思いますが)その言葉に対して、
「そんな犬にしたのは あなたじゃないか!」と強い怒りを覚えました。
…が、それも伝統であり、彼なりの愛情なのかもしれません。
「良い」「悪い」と言う立場に 私はないのでしょう。

ですが、一つだけはっきりしている事があります。
私は私のテリアに猟は教えない。
ドッグショーと言う、違うスポーツの中で 楽しんでいる彼らを見るのが大好きです。







「ジャックラッセルをショーに出すということ、
ハンティ
ングを教えるということ」